2014年度年報は、政策ビジョン研究センターの2013〜2014年の研究活動を縮約したページ構成になっております。新たに、当センターが特に力を入れて取り組んでいる4つの研究プロジェクトを紹介するコーナーを設け、図版をはじめとするデザインもよりシンプルで美しいものとなるよう工夫しました。後半のアーカイブコーナーでは、主要な開催イベントと研究業績の一覧を掲載しています。
ここでは研究紹介ページの抜粋を掲載いたします。
全文は下記の電子書籍(EPUB)およびPDFにてご覧いただけます。
EPUB (4.8MB) PDF (12.5MB)


目次(研究紹介より抜粋)

  1. 複合リスク・ガバナンスと公共政策研究ユニット
    ナショナルリスクの俯瞰と複合リスク・ガバナンス研究
  2. 国際エネルギー分析と政策研究ユニット
    ミャンマー地方部におけるエネルギーアクセス:ボトムアップ・アプローチによる電化提案
  3. 知的財産権とイノベーション研究ユニット
    先端イノベーション戦略の研究と人材育成:「戦略タスクフォースリーダーの養成」プログラム構想
  4. 航空政策研究ユニット
    「航空イノベーション」に向けて
  5. 表紙について

現代の社会経済の各機能は、相互に連関し、依存し合っている。機能の相互連関性は、生じるリスクの相互連関性にもつながる。世界経済フォーラムのグローバルリスク報告書を含め、世界及び各国において、様々な視点と構成の下、グローバルリスクやナショナルリスクの研究や報告が行われているところである。このような状況の下、複合リスク・ガバナンスと公共政策研究ユニットは、未だ日本では研究事例が見当たらない日本のナショナルリスクの俯瞰と可視化などに取り組んでいる。研究の視点としては、1)過去のリスク事例を検証するもの、2)今後のナショナルリスクを俯瞰し可視化するもの、3)リスクが発現した場合の対応のあり方について研究し提言を行うもの、などがある。

〔年報より抜粋

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IEA チーフエコノミストの Fatih Birol 博士によれば、グローバルなエネルギー需給のあり方は、大きな変革期にある。周知の通り、シェール革命以後、最大のエネルギー輸入国でありつづけてきたアメリカは、エネルギー輸出国に様変わりした。他方で、人口増加を背景に、最大のエネルギー輸出地域である、中東域内でエネルギー消費の伸びが喧しい。こうした、エネルギー需給のメイン・プレーヤーの変化は、エネルギーの国際貿易のあり方に大きな変化をもたらしている。他方で、変革が求められているにも関わらず、これまでのトレンドに変化が見られない分野もある。言うまでも無く、気候変動問題はその最たる事例である。また、関連して、枯渇性資源へのエネルギー補助金は削減が余儀なくされる機微な政策分野である。そして、これとトレードオフの関係とも位置付けられ、極めて解決困難な課題が、アフリカやアジアなどでの貧困部におけるエネルギーアクセスの向上である。そこで、国際エネルギー分析と政策研究ユニットでは、「エネルギー貧困(Energy Poverty)」に焦点を当てることとした。

〔年報より抜粋

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日本産業は、過去10年以上の長きにわたって、研究開発の成果である技術がなかなか事業化に結びつかず埋没してしまうという現象が目立っている(技術の埋没)。また、多くの特許を取得して事業化に成功したとしても、必ずしもその特許が有効に機能せず事業競争力に結びつきにくい状況もみられる(知財の無力化)。
日本の成長を支えたエレクトロニクス産業では半導体や太陽電池、DVD、携帯電話などの事業が、優れた技術や数多くの特許に支えられていたはずなのにその世界におけるシェアを瞬く間に失ってしまった。この衝撃的な出来事は多くの日本人の記憶に刻み込まれたのではないだろうか。リーマンショック以降減少したとはいえ、日本の企業の研究開発投資は決して世界的に見れば少ないわけではない。また国も科学技術基本計画に基づき、4次にわたり科学技術基本計画に従って研究開発投資を続けてきた。最近では財政の悪化により政府全体の予算がある程度抑制されてきた中、科学技術だけは堅調に投資が行われてきたのである。納税者に対する説明責任としても、これらの投資の結果である経済効果、そしてその経済効果を将来にわたって支えてくれるようなイノベーションの創出にしっかり結び付けていくべきなのだが、必ずしもうまくいっていないというのが現実かもしれない。

〔年報より抜粋

オープン&クローズ戦略 異分野融合(Cross-Pollination)の成功確率

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現在の我が国が直面している人口減少社会は、20年に渡る長期の経済停滞と相俟って、将来への不安感を社会に蔓延させている。失われた20年を取り戻すため、我が国は、将来の成長に向けた戦略を描くと同時に実行する必要がある。
今後、人口減少を背景とする国内需要の減少が見込まれる中、我が国の成長のためには海外需要の取込みが必須であることは論を待たず、海外の成長市場を対象に、我が国経済の市場規模を拡大させることが重要である。すなわち、海外の成長市場で、我が国の生み出す価値が競争力を有することが見込まれる産業に、我が国のリソース(ヒト、モノ、カネ)を投入し、成長を継続させることが重要である。一方、世界の航空輸送は、アジアの経済成長を基に今後の大きな成長が見込まれ、それに付随して新たな航空機の需要が期待できる有望な成長市場と言える。

〔年報より抜粋

提言「航空イノベーションに向けて」概要 ICAOの2050年までのCO2削減取組みの方向感

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表紙について

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本号の表紙に使用したイメージは、当センターの所属メンバーがセンター内の研究ユニットおよび外部の諸組織と結んでいる関係をヴィジュアライズしたものです。東京大学の枠を超えてさまざまな関係性に開かれた当センターの特徴が示されています。

(作成:東辻賢治郎)

Copyright © UTokyo Policy Alternatives Research Institute
発行/東京大学政策ビジョン研究センター(センター長:坂田一郎)
編集/山野泰子
デザイン・DTP・挿図/東辻賢治郎
写真/柏木龍馬
2014年12月発行