センター長 あいさつ

初代センター長
森田朗

2008年

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photo : Ryoma.K

わが国および国際社会が遭遇している課題に対して、東京大学が有するリソースを駆使し、政策研究を行い、その成果を社会に発信していくことを使命とする「政策ビジョン研究センター」が、本格的に活動を開始いたしました。
東京大学には、多岐にわたる専門分野で先端的な研究が行われています。その中には、高度の基礎研究もありますが、他方、それを社会に応用し、あるいは社会の仕組みとして実装することによって、現代社会が直面している課題の解決に資する研究も多数あります。

現在われわれは、地球環境の悪化、人口減少・少子高齢化、エネルギーの確保、食物の安全、安全保障、科学技術、教育問題等々、多くの課題に直面しており、政治家、国や地方自治体はもちろん、マスメディアも、さまざまな政策論を展開しています。しかしそうした政策論の中には、充分なデータや学術的根拠に基づかずに主張され、議論されているものも数多くみられます。そのような議論を経て生まれた政策は、必ずしも課題の解決に結びつかず、資源や時間の浪費に終わることも少なくありません。

これまで充分に利用されてきたとは言い難い大学の知的リソースを活用し、充分なデータと論理に基づいた課題の分析と解決のための選択肢を提示することは、こうした時代の要請ともいえる急務です。政策ビジョン研究センターのミッションは、東京大学がこのような役割を果たすために、総合大学である東京大学の利点を活かし、関連する多部門の研究を結びつけること、そしてそれらの研究成果を政策に関心をもつ一般の方々が理解でき、現実の社会の改善に結びつくような形に加工し、発信することです。

そのために、当センターは、社会におけるさまざまな課題についての情報と、その解決に結びつく研究情報とを相互に交換し、結合させる一種のフォーラムとして機能することを目指します。そして、どちらかといえば閉ざされたコミュニティのイメージをもつ大学を開放し、大学が持つ力を社会への貢献として用いるとともに、社会の抱える課題に耳を傾け、それに応えうるような研究に取り組んでいく場としたいと思っています。

センター長を含め、3名の教員と4名のスタッフからなる小さな組織ですが、当センターは、自らテーマを定め研究を行うとともに、東京大学の各部局で実施されている研究プロジェクトと共同して、その成果を発信する活動に力を注ぎたいと考えています。それらの研究については、テーマごとに「研究ユニット」を設置し、そのユニットを、研究を行い政策提言をする単位として位置づけることにしています。

今後、このホームページをはじめ、さまざまな媒体を使って政策の研究・提言活動を展開していくつもりですので、学内において社会への政策提言等を考えておられる方や学外から東京大学のこのような活動に関心を持たれている方のご支援・ご協力を期待しております。


センター長あいさつ